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トイファクトリーの挑戦 〜動く安心を届ける〜

株式会社トイファクトリー(岐阜県可児市 藤井昭文代表取締役)は、日本のキャンピングカー業界をリードする存在だ。創業 30 周年を迎え、ハイエースキャンピングカーでは国内シェア No.1 を誇る。「極めたい品質がある。譲れないスタイルがある。」という信念のもと、今日まで成長を続けてきた。 同社を支えるのは、「中途半端なものづくりは行わない」という精神。細部までこだわり抜いた設計と革新的なアイデアで、キャンピングカーの枠を超えた移動空間の可能性を追求している。

「命を守るキャンピングカー」藤井代表の想い

「困っている人を助けたい。我々の技術で何かできないか。」 そんな想いから、トイファクトリーは社会課題解決に役立つ車両の開発を模索し、防災プロジェクトを動かし始めた。能登半島地震が起こる前から、そして 2024 年 1 月 1日 震災発生後、藤井社長は迷わずこう言った—— 「マルモビで被災地を助けに行くぞ!」

「MARU MOBI(マルモビ)」のトイレモードが生まれた瞬間

社員たちは一致団結し、わずか 3 日で完成させた。そして 悪路でも自走できるトイレカー1台と合計3基のトイレを石川県珠洲市へ送り、トイレ支援に貢献。これまでキャンピングカーで培ったノウハウで、水を使わないフィルムパック式で排泄物を処理できるウォーターレストイレ「クレサナ」という最新型トイレを搭載することで、断水が続いていた被災地でも役立てることが出来た。数か月に渡り数千回と使用されたトイレカー車両は、昨夏、最新版のマルモビにアップグレードされ石川県珠洲市に寄贈された。トイレカー車両から取り外した可搬型のクレサナトイレは、その後も避難所で備蓄され、移動美容室が来るなど地域の方が集う際のトイレとして人々の生活を支え続けている。マルモビは、 「いつも」と「もしも」をつなぐ車。 普段はワゴン車やイベント出展車両として使い、いざという時は移動トイレや救護室、仮眠室へと姿を変える。「備えない防災」を実現する新しいカタチだ。

マルモビの特長と多機能性

マルモビにはスイス製「クレサナ」をトイレとして採用し、軽量な専用ブースも誰でも組み立てて設置できるようになっているのが特徴だ。これにより、水を使わず快適で衛生的な環境を提供できる。災害時や長期の避難生活において、トイレの衛生管理は重要な課題となるが、クレサナの導入により、メンテナンス負担を軽減しながら安心して使用できる移動トイレを実現している。

普通免許で運転でき自走できるマルモビの最大の魅力は、その多用途性だ。災害時だけでなく、日常生活でも活用できる設計が複数のモードとして施されている。

•移動トイレ:飛行機のトイレに着想を得て、快適で明るく清潔な空間を確保。

•救護室・仮眠室:災害時には休憩スペースとして利用可能。

•キッチンカー・移動販売車:イベント時や緊急時の食事提供にも対応。

•移動オフィス・ワークスペース:緊急時の指揮所やテレワークスペースとして活用。

この「フェーズフリー」の設計により、マルモビはトイファクトリー独自の「備えない防災」を実現する革新的な車両となっている。

「助け合うネットワーク」マルモビパートナーシップ協定

「全国のマルモビが支援に駆けつける仕組みをつくろう。」 そうして生まれたのが「マルモビパートナーシップ協定」。自治体や企業が連携し、もしもの時に即座に動ける支援ネットワークを構築した。

「クレサナ」—水を使わない未来のトイレ

災害時や水不足の環境でも使用できる「クレサナ」は、完全に水を使わず、特殊な医療用フィルムで排泄物を密封し、臭いや菌の拡散を防ぐ衛生的なトイレだ。ポータブル電源で稼働し、電気がない場所でも使用可能。フィルムごと廃棄するシステムによりメンテナンスや汲み取りも不要で、避難所や医療施設、屋外イベントなどさまざまな場面での活用が期待されている。 このクレサナは、ヨーロッパのモーターホームでも採用されていて日常生活への違和感がないデザインのため、マルモビのトイレとして採用され可搬設置が可能だ。マルモビとの組み合わせにより、移動可能な快適で衛生的なトイレ環境を実現し、災害時や長期避難生活においても安心して使用できる。

マルモビプロジェクトリーダー 鈴木本部長のこだわり — 細部に宿る技術と情熱

航空業界での経験を持つ鈴木本部長は、細部にまでこだわり抜いた設計とスピード感を信条としている。特に、マルモビに搭載されるトイレブースの設計には、その技術と情熱が存分に生かされている。「限られたスペースでいかに快適に使えるか」を考え抜き、飛行機のトイレブースのイメージを応用することで、清潔かつ軽量で機能的な組立て式ブースを実現。

また、車両を単なるトイレ設備としてではなく、救護室や炊き出しなど、多目的に活用できるよう設計。無駄をなくし、あらゆるシーンで役立つ車両にすることにこだわり続けている。

「キャンピングカー×防災」がつくる未来

「ただのキャンピングカーじゃない。これからは、暮らしを支える移動空間をつくる。」

今後は、

・移動 理美容室:被災地での衛生管理や心のケアに貢献

この新たなモードをマルモビで本格稼働できるよう考えていきたい。と語っている。

トイファクトリーの挑戦は、「いつも」と「もしも」をシームレスにつなぐこと。動く安心を、もっと身近なものにすること。 創業 30 周年を迎えたトイファクトリーには、長年培ってきた技術力と、社会に役立つ車を生み出したいという情熱が詰まっている。その想いが、マルモビという防災車両の形となり、全国へと広がっている。 社会の課題に向き合い、人々の安心と快適を届けるために。トイファクトリーはこれからも、挑戦を続けていく。

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    トイレカー 石川県珠洲市被災地 支援 (藤井社長・写真左)
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    トイレカー 石川県珠洲市被災地 支援
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    石川県珠洲市マルモビ貸与
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    石川県珠洲市マルモビ貸与 (藤井社長・写真右)
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    マルモビ トイレカー 内装
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    マルモビ プロジェクトマネー ジャー 鈴木本部長